株式会社カルチャーでは沢山の著名な先生方にご指導いただいております。
先生ご指導の下、ご縁がある教材は多種多様ございます。
今回、創業当時からの伝統を守りながら価値あるものを提供されている老舗の企業様を
順次ご紹介させていただきます。
第1回 直勝筆様
~往年の書家に愛玩されていた直勝の筆を、現在もなお、
多くの方々に愛用いただいている「書」の老舗~
第1回目は、
創業 明治16年5月(創業141年)の株式会社直勝筆(なおかつふで)。
現在102歳の三代目会長・生嶋勝美様にお話を伺いました。

<看板>
書 上田桑鳩 刻 内藤香石
直勝筆の歴史
直勝は明治16年から横浜にて筆屋を営んでおります。
現在に至るまでに、石橋犀水、尾上柴舟、高塚竹堂、比田井小琴をはじめとする多くの書家・芸術家の
皆様から、ご意見、ご指導を賜りました。
そして、その嗜好に従って用途や筆法などを考慮・吟味しながら、筆の製作にあたって参りました。
これら往年の書家に愛玩されていた直勝の筆を、現在も尚多くの方々にご愛用していただいておりますこと、
誠に嬉しく思っております。
今後も、皆様に 「書」 の楽しさを感じていただけるよう、品質の良い日本の筆にこだわって、商品の製造・
ご案内・ご提供に努めていく所存です。
受け継がれてきたこと、思いなど
二代目社長の家訓を重んじて商いを続けて参りました。
例えば、電気製品などは新しい商品ほど機能が追加され変化進化していきますが、
筆の場合は正反対で、如何にして品質を落とさず同じ商品を提供するかということです。
太平洋戦争中は品物を集めるのが大変で、挙句の果てにすべてが灰になってしまいました。
商品特色
和筆専門をモットーにしているので、日本人の職人を育てて良い品質の筆を作っています。
顧客
書塾の先生、お寺様、一般の方
将来の展望など
書道は日本の文化であり、その一役を担う筆作りは長く続けていきたいです。
近年は世界的な動物愛護の観点から、ある種の原毛の国間での移動が禁じられている物があります。
その為に今まで普通に作られていた筆について値段が上昇することは勿論困りますが、
それよりもっと困ることはその筆を製作できなくなってしまうことです。

<店内>
店内の筆は明治~昭和の書家にも愛用されていた筆が
並んでいます。先生方がお書きになった筆のラベルや先生方から
頂いたお手紙も直勝筆様HPで掲載されています。

<石橋犀水(※)先生用の筆>
※東京美術学校講師。新潟大学書道科初代教授。
昭和を代表する書家であり、書道教育の第一人者である。
戦後は財団法人日本書道教育学会を設立するなど、書道教育の確立に尽力した。

<墨の型 もみ板>
墨の形は木型によって決まります。
一般的な長方形の墨から精微な彫刻を入れた六角形、円形、扇形などの墨まで、
すべて墨型彫刻師の技にかかっています。

書と絵 武者小路実篤 直勝の看板書。同じ看板書でも先生により雰囲気が異なります。

明治~昭和の頃の商品台帳

明治~昭和の書家の先生方は、ハガキで注文されていました。
株式会社直勝筆について
創業:明治16(西暦1883)年5月
筆:直勝の筆は200種類、日本の職人が一本一本丹精を尽くして製作
墨:日本の職人が昔ながらの製法で作っている墨を取り扱っている。昭和初期に作られた墨もある。直勝で取り扱っている墨は、古梅園製、勝榮堂製が主。
硯:日本の職人が丁寧に彫っている品質の良い和硯を数多く取り扱っている。昭和初期の作品もある。
紙:練習用半紙、清書用半紙、高級半紙、画仙紙、水彩画用紙、料紙などを取り扱っている。
直勝所蔵著名な書:上田桑鳩、武者小路実篤、豊道春海、鈴木翆軒、岡山高蔭
ホームページ:http://www.naokatsu-fude.jp/index2.html
お話いただいた方

三代目会長・生嶋勝美様(大正12年1月11日生れ・102歳)
貴重なお話をありがとうございました。